株取引に慣れないうちは、指値注文と成行注文、どう使いこなせば良いか悩みますよね。
「指値で注文したら買えなかった!」
「成行で発注したらとんでもない金額で約定した!」
こんな悩みを解決するには、指値、成行、それぞれの約定に至る価格の決まり方のルールと、うまく行かない失敗ケースの事例について事前に学んでおくことで、リスクを回避することが可能です。
この記事ではベーシックな考え方とよくある事例について紹介しますので、利益が狙える価格での買いエントリー&利益確定売りで、収益を伸ばして行きましょう!
目次
約定の仕組み 〜成行・指値の発注条件〜
まず、基本中の基本となる、成行・指値の発注条件を覚えましょう。
成行(なりゆき)注文の約定価格
- 買い注文:最も低い価格の売り注文
- 売り注文:最も高い価格の買い注文
指値(さしね)注文の約定価格
- 買い注文:指値以下の株価
- 売り注文:指値以上の株価
成り行き注文で失敗! 〜よくある失敗事例〜
次に失敗パターンを学んでおきましょう。これを知っておければリスクがわかりますから取引に有効に活かせるようになります。
成り行き買いで高値掴み1〜出来高が少ない株で高値づかみ〜
失敗パターンで多いのが「出来高が少ない株」に買いでエントリーする場合。
こちらは「相場で買えればそれで良い」と安易に成り行き注文を入れてしまっていても、実は売り手の中には「とにかく高い売値で売れれば良い」という狙いで、相場より高く売り注文を出している人がいる場合があります。
どういう事かというと、売り手によっては、「売れたらラッキー」と考えて「値幅制限いっぱいの高値の売り注文」を入れているケースがあるのです。
出来高が少ない株の場合、成り行きで出した買い注文がそれに当たってしまうと悲劇。
「え、こんな価格で買うつもりはなかった!」というようなことになってしまうわけです。
余談ですが、この性質を利用して、「買えたら超ラッキー&約定しなくても良い」という思い切りで、<値幅制限いっぱいの安値の指値買い注文>を入れておく買い方もあります。
特に相場が暴落しているケースなど、投げ売りが出ているときには、値幅制限いっぱいの安値で買えるチャンスです。逆張りの注文の仕方として覚えておくと良いでしょう。
成り行き買いで高値掴み2〜朝の寄り付き高値から株価下落へ〜
出来高が大きい株でも朝の寄り付きで失敗するケースがあります。
買い手は「この株はまだ上がる」と踏んで、前日夜に成り行きで買い注文を出します。しかし、実は相場としては売りが優勢になっていたという失敗パターン。
朝に成り行きで約定した後、その後、売りが優勢となりどんどん株価が下がっていくという失敗です。
板状況や信用倍率情報などから、「売りが優勢になる可能性が高い」ということを読めて入れば、このような失敗は避けることができます。
前日夜に売買方針を決めていても、可能であれば朝8:30頃からの板の状況を見てから指値で注文を入れれば、このような失敗は避けられるでしょう。
下げ相場の成り行き売りで超安値売りになってしまった
保有している株の価格が下落傾向になったらどうしますか?
含み益が出て入れば早く売って利益を確定したいし、含み損が出ているならば損失が拡大傾向になりますから、一刻も早く売って損切りすることが必要な状態です。
そこで、指値で売り注文を入れるも約定せず、指値価格より株価は下がって行ったので、仕方なく成り行き注文に替えたところ、「とんでもない安値で約定」という失敗ケース。
このケースは止むを得ないということもできます。
本当に下げ相場で「撤退が必須」であれば、成り行きで売るのは仕方のないことです。下げ相場で安い価格で取引されてしまうリスクは否めません。
ただ、すごい下ひげがついて、「それが自分の売買価格」だった、というのが後でわかると大変落ち込んでしまいますね。
こうならないためには、成り行きで売ると決めたら一刻も早く注文を出すこと。
または、指値で板の状況(買い注文数)に合わせて、チョコチョコ小分けで売っていく事。
小分けにして売っていけば現在の状況に合わせて適切に売ることが可能です。
指値の有効な使い方 〜板の状況に合わせて注文を入れる〜
成り行き注文での失敗事例を見てきました。これを避けるためには可能な限り指値取引で売買を行っていくことが重要となります。
買えなかった、あるいは売れなかったとしても仕方がない、という判断を持って希望価格での指値注文による取引も効果的ですし、その日中に流れで売買するとしたら、当日の板の売買注文株数に当てて、売買注文を出すことでスムーズに約定させることができます。
デイトレードはあまりしない方でも、何度か相場の空いている時間に取引をしておけば、スイングトレードで前日夜、または寄り付き前の注文が中心となる場合でもリスクを踏まえた売買が可能となります。
まとめ
- 成り行き注文は超高値、超安値で取引されてしまう場合がある
- リスク覚悟で素早く取引したい場合には成り行きは有効
- 希望価格に近く約定させるには指値を板に合わせて入れる
成行も指値もそれぞれメリット・デメリットを持った注文方法。基本は指値を中心に考え、成行は時と場合により有効に活用していくという考え方が望ましいです。
失敗事例から学んで、ぜひ利益が出る取引を実現して欲しいと思います!
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