いざ株を始めよう!と勉強し始めても、株の買い方、注文方法についてはたくさんあるので、一体どのくらいの種類があるのか、その全体像がわかりにくい、という方が多いのではないでしょうか?
この記事は
- 株の買い方にはどんな種類があるのか知りたい
- 株の買い方の全体像を押さえて、自分にあった方法を探したい
- 株の買い方ごとのメリット・デメリットが知りたい
という方向けに情報を整理しました。
目次
株の買い方の種類・まとめ
(1)現物株取引
- 自分の名義で、その名の通りに実際に「現物」として存在する株式を取引する株の買い方の種類。買った値段より高く売却すればキャピタルゲインが得られます。また、保有していることで、通常年2回、配当金と株主優待の権利が得られます。
- 通常、株取引といえば「現物株取引」のことを指します。のちに述べる「信用取引」はリスクが大きくなるため、初心者は現物株取引から始める事が重要。
現物株取引のメリット
- 配当金や株主優待が受けられる
- 投資資金以上に損失が出ることがないのでリスクが低い(信用取引に比べ)
現物株取引のデメリット
- 株価が下がる局面では利益が出ない(信用取引に比べ)
- 取引手数料が高い(信用取引に比べ)
(2)信用取引
- 自己資金以上の投資が可能になる株の買い方の種類。信用取引を行うためには、証券会社に一定の現金や株式を担保として預け入れる事が必要。信用取引口座の開設には証券会社による審査がある。リスクが大きいため、初心者は非常に慎重になる必要がある。
- 空売りにより利益を得る事ができるのが最大の特徴。証券会社から株を借りて市場でまず売り(空売り=現物を持っていないのに売る)、その後、株を市場で買って証券会社に返却します。この時、空売りした時の株価(=売値)より、買い戻した時の株価(買値)が低ければ、順序は逆転していますが、買値より売値の方が高いので、下げ相場で利益が出せるのです。
信用取引のメリット
- 自己資金の約3倍の取引が可能になるため、利益が増加する可能性が高まる
- 下げ相場で利益を出せる投資手法である。(空売り)
信用取引のデメリット
- 自己資金の約3倍までの取引ができるため、損失が広がる可能性が高い
- 証券会社に差し入れている証拠金以上に含み損が拡大した場合には追加の証拠金が必要になる。よって、株価が暴落した場合など巨額の追証が発生する可能性あり。
- 金利がかかる(信用売りの場合には貸株料がかかる)
(3)IPO(新規公開株)の公募に参加する
- IPOは、Initial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)の略で、新規に株式が証券取引所に上場される事
- 上場前に、企業の公募価格での最初の買い手が募集され、企業側が公募価格で買い手にまず売却します。その後、売買が始まりますが、公募価格で買った株主が、次の買い手に売る場合の初値は、公募価格より高くなるケースが多く、利益につながる可能性が高い株の買い方
IPO株のメリット
- 公募で購入できた場合、初値で利益が出る可能性が高い
- 長期的に保有し、かつ、公開企業がその後大きな企業成長を果たした場合には莫大な富を得られる可能性もある。
IPO株のデメリット
- 公募買い付けは、抽選となる可能性が高く、誰でも買えるわけではない。
- 公開企業が全て成功するわけではないため、株価が大きく下がる可能性もある。長年上場している企業に比べ、業績アップダウンは激しく株価ボラティリティは高くなる。
(4)売り出し
すでに上場している企業の株式を、大量に保有している株主(発行体企業や、創業家など)がまとめて売り出すことが、「売り出し」と呼ばれ、発行体企業が主体となり、購入したい株主が募集されます。
売り出しのメリット
- 買い付け時に手数料がかからない
- 市場価格より数%のディスカウント価格で売り出されるケースが多いので、その後業績等が安定していれば、株価が戻り利益を得られる可能性がある
売り出しのデメリット
- 大量に売られるので、その後株価が一時的に下がるケースが多い
- 売り出しが発表された時点で、その後の株価下落を嫌って株価が低調になるケースがある
(5)公募増資
すでに上場している企業が、資本金を増強(増資)するために、新たに株式を追加で発行し、市場で投資家を募集される(公募)ときに買う株の買い方。公募増資は、PO、Public Offering(パブリック・オファリング)とも略されます。
公募増資のメリット
- 公募増資の目的がポジティブな場合、その企業の業績が上向けば株価が上昇していく可能性がある
公募増資のデメリット
- 発行株式数が増えることは既存株主にとっては株式価値の希薄化につながるので、それを嫌って公募増資前には株価が下がる可能性がある
(6)単元未満株取引
証券会社が提供している1株単位から取引できる株の買い方の種類。
単元未満株取引のメリット
- 単元株で購入する場合の100分の1や1000分の1の金額で購入できるため初期投資が低く抑えられる
- 配当金は持分に応じて得られる
単元未満株取引のデメリット
- 株主としての権利が保有できない(議決権行使、株主優待)
- 取引できる証券会社は少なく、対象銘柄や取引時間など証券会社ごとに制約がある
単元未満株についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
(7)るいとう(株式累積投資)
毎月一定の金額で株式を積立購入する投資方法。
るいとうのメリット
- 少額から始められる
- 長期間投資された場合、購入価格が長期間の株価の平均となっていく。売却時に平均価格より高い金額で売却できれば利益を得られる。(ドルコスト平均法)
るいとうのデメリット
- 取扱の証券会社が限られる
- 売買手数料がやや高め
(8)投資信託
個別株式を買うのではなく、一定の方針に基づいて複数の株式に投資するパッケージされた商品として企画されているのが投資信託。
ETF(上場投資信託)であれば、さらに上場されているので売買がしやすくなります。
投資信託についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
(9)証券会社ごとの独自のサービス
近年、一般的な証券会社のサービスに加えて、特色ある株の買い方を提案している会社も増えてきています。例えばスマホで取引する「One Tap Buy」は国内だけでなく海外株式まで含めて手軽に買えるサービスを提供しています。
- 1000円から証券会社が指定した株式を購買できるサービスを提供
- 海外株式にも投資が可能
- 手数料は高めだが手軽に投資が可能
株の買い方(注文方法)の種類
指値注文
買う価格もしくは売る価格を指定する注文方法。
成行(成り行き)注文
価格を指定せずに銘柄と数量のみ指定する注文方法。
成り行き買いの場合は、その時点の最も低い売り注文との間で約定し、売り注文の場合には、反対に最も高い買い注文との間で約定します。
逆指値注文
通常の指値注文とは逆に「指定した価格以上になったら買う」「指定した価格以下になったら売る」という注文を自動的に発注する注文方法。証券会社によって提供していない会社もあり。
株の注文方法についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
- 個別株の取引は「現物」か「信用」かに分かれる
- 新規上場の「IPO」、既存上場企業の「公募・売り出し」も買い方の1つ
- 単元未満株や「るいとう」など、通常とは違う買い方も可能
- 投資信託や、証券会社独自のサービスの利用も可能
株の買い方は非常に多いですが、個別株を買うのであれば、まずは現物株取引のことをしっかりと学習し、その後、信用取引に向かうのが良いです。
長期に積立投資等をしていく場合には、「るいとう」や投資信託の利用を検討し、分散投資によってリスクをうまく散らして行き、長期的な資産形成につなげるのが吉。
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