株式投資においての価値の1つとなるのが「配当」です。
配当は、決算期に1株いくらという割合で株主に還元される金額です。通常は第2四半期決算後と、本決算後の年2回支払われるのが一般的です。必ず還元される訳ではなく、企業業績や経営判断によっては無配(0円配当)となる場合もあります。
この配当の割合を示す指標が、配当利回りと配当性向です。詳しく見ていきましょう。
目次
配当利回りとは?
配当利回り(%) = 1株あたりの配当金 ÷ 株価 × 100
この割り算で割合を出します。配当利回りは、計算式からわかるように、配当金の額そのものと、株価の影響を受けます。配当金が同じ期であっても、株価が下がれば配当利回りは上がりますし、逆に、株価が上がれば配当利回りは下がります。配当金の増配が発表された場合には、株価が同じであれば配当利回りは上がりますが、配当金の増加を見込んで株が買われ株価が上昇すると、配当利回りは元のレベルに落ち着くというケースもあります。
東証一部の配当性向の平均は約1.4%(2017年)故に、それ以上になっている企業であれば、配当利回りは比較的高い企業であると言えます。一般的には3%以上の配当利回りがあると高いと判断されるケースが多いです。
配当利回りは高いほど株価は割安と判断されるので、配当金が高く、配当利回りが高い株は株価が落ちづらい
配当利回りが高いということは、株価が割安であると判断され買われる傾向にあります。よって、株価が一時的に落ちたとしても、配当利回りが逆に高くなるのでまた買われるので、配当利回りが良い株は株価は落ちづらい傾向にあります。
ただし、注意が必要なのは配当額そのものもしっかりと配当されている企業であることが前提です。企業業績がよくなく配当額が少ない企業で、株価が非常に低水準で結果的に配当利回りが上がっているケースは、企業成長が期待できませんから、株価は低調である事が多いです。
配当性向とは?
会社が稼いだ利益のうち、どれだけを配当金に回しているのかを見るのが「配当性向」です。配当性向が高い会社は株主還元に積極的であると言えます。
計算式は以下の通りとなります。
配当性向 = 1株あたりの配当金 ÷ 1株あたり利益(EPS)
= 配当金 ÷ 当期純利益
配当性向はどのくらいから高いと言えるの?
2018年に上場したソフトバンク株式会社の配当性向は、上場時点では85%以上を目標とする事が謳われていました。これはその親会社である大株主のソフトバンクグループとしても利益を高配当で還元して欲しい訳ですし、一般株主の人も還元が多い方が嬉しい訳ですから、株主の共同の利益として配当性向が高く保たれるのは嬉しい訳です。近年では株主還元の強化から、配当性向が50%以上、中には100%に近い割合で株主還元を行なっている企業も多くなってきています。
一般的には、25%〜50%未満の配当性向を目標としている企業が優良企業の中には多いです。会社にも純利益の中から一定額を内部留保として保ち、株主還元もバランスよく行うという会社です。
注意していきたいのは、かつては好業績で配当性向が高かった企業が、業績悪化で純利益が落ちたときの対応です。配当性向を下げると株価に影響するという経営判断から、純利益が落ちているのに配当金額を下げないでいると、配当性向はむしろ上がる傾向があります。この場合、企業に残る内部留保額は少なくなっていますから、業績悪化にプラスして、内部留保額が減少している事になりますから、キャッシュフローや資本効率が本当に大丈夫か?という点については投資家として判断すべき項目となります。
配当利回りや配当性向に注目した投資はどうすれば良いのか?
こちらの記事で詳しく扱っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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まとめ
配当性向と配当利回りは企業の株主還元の考え方を見るのに最適な指標。
配当が良い企業の株は落ちにくい特徴がありますから、投資対象として、特に中長期で投資する場合には組み入れたいところです。
また「増配」、「減配」のニュースは、株価を上下させる重要な発表となるので、発表には注意していきましょう!
投資の成功。心より祈っております!
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